落款の柄足し
2017.12.01
こちらの着物は、お仕立て直しでお預かりした物ですが、よく見ると作家さんの名前などが書いてある「落款(らっかん)」とよばれている所がどうしても上前の目立つところにつけてありました。。普通は下前の隠れる所に付く物なのですが、仕立ての時に間違えたものと思います。
この落款を隠すように仕立て直しが出来ないか考えたのですが、どうしても出てしまうので、これを消すことにしました。
初めに染めの名前等が書いてある墨と作家さんの判の朱肉を取ります。これも簡単に取れる物ではなく、時間をかけて少しずつ取ってやります。
字等きれいにとれても、ここに字や判を押すため柄が付いていないので、回りの柄に合う柄を足してやります。少しでも色が違うとよし目立ったり、全体のバランスが崩れてしまうので気をつけながら柄を足していきます。
時間がかかりましたが、わからない位まで出来ました。