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着物の柄足し

2025.09.08

こちらのアンティークの振袖はおそらく戦前あたりの品物ではないかと思われます。
この時代の振袖は現代では見られないような色使い、アンティークならではの経年変
化。モダンさと美しい深みのある着物です。

ですがアンティーク着物は着たいけど、小さくて着られないものが多いです。
こちらの振袖も裄丈だけでも目一杯出して活用できるようにしたいとのご希望でし
た。

裄を生地巾いっぱいに出すことで、お使いになれるだろうと、解いたところ、柄がか
なり手前で途切れていました。
お客様にも許可を頂いて生地のキワまで柄を足すことに。


身頃側と袖側の柄が繋がるように柄を足すのも難しいですが、松葉色や柿色など現代
ではあまり見慣れない色の微調整が
難しかったです。
柄に関しては、完璧に繋げようとすると違和感のある形になるので、繋がらなくても
違和感を感じないような落とし所を探して柄付けをしました。

お客様にも「全く違和感がない」と喜んでいただき何よりです。
見てるだけでも素敵なアンティーク着物。これからは実際にお召しになって活用して
いただけたら嬉しいです。