内掛けの色うつり
2016.09.29
写真ではわかりにくいのですが、これは内掛けの袖に赤い色がうつってしまったものです。
床に敷かれた赤いカーペットの色がうつってしまったとのことです、色うつりはしみよりも繊維にくっつく力が強くて中々とれないので、色を抜いてやります。色を抜くと着物の色も抜けてしまうので、補正の技術が必要になります。こちらの内掛けは白でしたが、抜いたところはやはり他の部分より白くなってしまうので、少し色をくすませるように色をかけてあげて完成です。
2016.09.29
写真ではわかりにくいのですが、これは内掛けの袖に赤い色がうつってしまったものです。
床に敷かれた赤いカーペットの色がうつってしまったとのことです、色うつりはしみよりも繊維にくっつく力が強くて中々とれないので、色を抜いてやります。色を抜くと着物の色も抜けてしまうので、補正の技術が必要になります。こちらの内掛けは白でしたが、抜いたところはやはり他の部分より白くなってしまうので、少し色をくすませるように色をかけてあげて完成です。
2016.05.19
これは着物についたカビが黄色に変色してしまったシミです。
どんなにきれいな状態で保管しても、長期間湿度の高い所に保管してあるとカビで黄変していしまいます。この着物も全体にカビが出来て、長期間そのままになって変色してしまったものです。
特に柄のところはひどい状態でした。丸洗いし特にひどい所は水洗いします。これだけでは黄色に変色した所はきれいにならないので、黄色のシミ一つ一つ漂白できれいにしていいます。着物全体なのでとても根気のいる作業です。
漂白すると柄や地の色も抜けてしまうので、それに色をかけ補正していきます。きれいになったところで白いのり胡粉をかけて完成です。花一つ一つの型をとり手間のかかる仕事です。でもきれいにする事ができました。
着物はやはり湿気が一番の敵です。一年に1~2度タンスを開けて着物を見るだけでも湿気が逃げてくれますし着物の状態を把握できるのでお勧めです。
2016.01.21
こちらは千葉県の客様から送っていただいた着物です。
結婚式に着るつもりで出してみたところ、全体的に黄色いしみがついていたとの事です。お母さまが若い頃に着用されたものらしく40年位前との事でした。
かなり古いしみで丸洗い、部分的に漂白、色かけ(補正)でなんとかきれいにする事ができました。
2016.01.21
こちらはクリーニング屋さんからの御依頼品です。
お客様からお預かりしたときは気が付かななかったらしいのですが、ドライクリーニングをした後に見たら衿が変色していたそうです。
ドライクリーニングだけでこのように変色する事は考えにくいので、原因がはっきりわからないですが、色の抜け方から、酸素系漂白か髪の染料のカラー材ではないかと思います。とても色がむらになっているので直すのも時間がかかりましたが、何とかきれいに出来ました。
2015.05.23
5月20日酒田祭りが行われました。今年は我が家の地区が当番で、行列に参加する事になり裃で参列しました。
この時期色々なところでお祭りがあり、紋付、羽織、袴、裃のしみ抜きが増えてきます。
こちらも当番に当たる時しか出す事がない為、しみがそのあまの状態で出ていたとの事です。
かなり昔のしみのようで、茶色に変色していました。この裃は、しみを取る過程で色がどうしてもにじんでしまい白いポツポツが青っぽくなってしまうので、しみをすべて取ってからにじんだ分の青の色を抜いて完成になります。
中々手間のかかる作業になりましたが、きれいに補正できました。
2014.10.24
こちらの着物は、一度他店で漂白されたものを送っていただきました。
古いしみ等は種類によって漂白をしなければ取れないものがあります。着物の染料はとても弱く漂白により着物の色も抜けてしまいます。
個人的にですが、一番難しいしみは一度他でいじった物で、どういう薬品を使用したか、生地が傷んでないか等色々な事を考えなければなりません。
この着物も、しみの部分を漂白して地色も抜けてしまい、補正ができなくて当店に持ち込まれたものです。色の三原色の中では黄色が一番漂白には強いので、色は抜けないと思い処置したようです。自分が漂白するときは、色が抜けた時自分が後から色を付けやすいように細心の注意をはらって漂白します。
この着物のように失敗して抜けた物も、もう一度やりやすいように色を抜き直して色をかけて(補正)やります。
それでも、前に処置してある物はどうしてもうまくいかない事がありますので、自分でこすったりすると生地がすれたり色がにじんだりする事がありますので、しみが付いたらそのままの状態でご相談ください。
2014.07.18
長い間そのままの状態で変色したしみです。
写真は上前、袖のしみです。
他店でお断りされたそうですが、どうしても思い入れのある着物で諦めきれず当店でお預かりする事にしました。
作業工程としては、洗浄、漂白、補正(地直し)になるのですが、しみの範囲が広く、どちらも地色が弱く、漂白おの時に完全に色も抜けてしまうので、補正(地直し)が難しく大変時間がかかりましたが、きれいにすることが出来ました。
こちらも同じお客様からお預かりした物です。これも同様にきれいに仕上がりました。
きれいになればお客様も喜んでお召し頂けるのではないでしょうか。